こんにちは、ファブラボ鎌倉のゆうかです。今回は、ファブラボがハブとなり、小学校におけるプログラミング教育のサポートを行った昨年のプロジェクトを紹介します。このプロジェクトは総務省の「若年層に対するプログラミング教育の普及推進事業」として実施され、2020年より小学校で開始されるプログラミング教育をサポートする人を地域で育成していくというものです。
ただでさえ忙しい小学校の先生方が、プログラミングを教えるということはなかなか大変なことです。ファブラボが地域と連携して、学校や先生を技術面でサポートすることができたらいいなという想いがあり、提案書を提出し無事に採択されました。日本の政策を担う方々にもファブラボの存在や、新しい学習のあり方を知ってもらうためにも、まずはきちんと実践事例をつくる。そのための第一歩としても位置付けていました。
今回採択された事業は、ファブラボ鎌倉とファブラボ山口が連携し、山口県山口市で実施しています。遡ること3年前、山口県山口市大殿小学校の校長先生が「一緒に何かできないか?」と、ファブラボ鎌倉に来てくれた経緯がありました。その時の名刺を探し出し、校長先生に相談したところ、すぐに快諾頂きました。ファブラボ山口からも即座に協力の返事をもらい、提案書を書き上げることができました。いつか何か一緒にしようと思っていると、チャンスはやってくるのですね。大殿小学校の校長先生が即決してくださり、教育委員会ともお話してくれたのがこのプロジェクトが成立した大きな要因です。
小学生高学年向けのプログラミング講座を開発し、地元で教える人を増やすというのが目的です。主に大学生を中心に現地で4日間の研修を行い、小学校で全6回の講座を行いました。プログラミング教育が主な目的ですが、やはりこれからは「ものづくり」という文脈は欠かせません。そこで、ファブラボ機材を活用してつくった四足歩行ロボット「FAB WALKER」(ファブウォーカー)を用いて、ものづくりやプログラミングの考え方を学んでいく授業を開発しました。
山口大学の教育学部の学生らが参加し、教材開発やWEB上でのノウハウの共有方法なども一緒に学んでいきました。教材自体も8割作成し、あとの2割は学習者の様子をみて仕上げていくプログラムにもなっています。教材開発のみならず、児童の興味の持ち方や進め方や考え方など学生メンター1名に対して4名の児童の学習プロセスをきめ細かくプロファイリングしていく方法を用いて、学習者中心の講座のあり方を実践を通じて学んでいきました。その際に、必要に応じて補助教材などを作成し、追加していきました。全体の様子をまとめた動画が下記になります。
FAB WALKER プログラミングで命を吹き込もう! from FabLabKamakura on Vimeo.
毎回講座終了後に振り返りを行い、メンター同士で改善点を話し合い教材を修正していきながら講座を行っていきました。研修や実証は映像や報告書で詳細を記載しているので、ぜひご覧ください。
全6回の講座終了後の記念写真
今回採択された案件は、文部科学省、総務省、経済産業省などで構成されている「未来の学びコンソーシアム」のウェブサイトから閲覧することができます。上の図の「⬅︎」が示している「こちら」から、下記の全国地図に移動します。私たちの事業は、単年度だったのですが、47都道府県をなるべく網羅するように取り組みは進められていくそうです。他のプロジェクトも異なるアプローチをしているので、とても参考になります。
継続性という観点からも、地域に根付いた活動をしているファブラボができることは、たくさんあると思います。いろんなこと一朝一夕ではいきませんが、継続性や発展性を見据えて一歩づつ、一歩つづ進めていきますね。
これからも引き続きよろしくお願いします!!
FabLabKamakura
渡辺ゆうか