【from Hiroshima】KAGURART(カグラート) #2

こんにちは、ファブラボ広島安芸高田の渡辺です。今回は、「地方創生と情操教育基盤創り」を目標にし、ゼロベースで企画・運営している「KAGURART(カグラート)」についてご紹介致します。

KAGURARTとは、伝統芸能「神楽」を先端テクノロジーで、再発明する試みです。伝統芸能である「神楽」は大切にし、伝統を守りながら、神楽が好きな人も、神楽を知らない人も楽しめるよう、もう1つのKAGURAを造形発想します。 舞を変えないまま、舞手の動きに合わせたリズムや動きを自動的に「光」や「音」の演出に変換します。

2015年11月に第1回目(詳細はこちら)を開催し、今回は2016年10月にNHK広島さんとのコラボ企画(勝手にブランド発見伝)で、今吉田神楽団さんと協力して、伝統芸能神楽とデジタル技術を融合させた新しいKAGURAの創出に挑戦しました。

今回は、神楽の魅力を沢山の人々に知ってもらいたいという神楽団さんの思いと、伝統芸能を再発明することで新しい地方創生手法を開発したいという私の思いが重なり起こすことができた企画であり、NHKさんの多大な協力の中で実現させることができました。

また、今回用いたデジタル技術とは、センサー(KINECT)で人間の骨格を認識し、手足の動きの軌跡を光で表現する技術で、舞手の動き・スピードに合わせて色やカタチが変化するエフェクト(光の演出)をリアルタイムで造形していくものです。演出は、SHAREFLさんに協力頂きアジャストしながら完成させていきました。

しかしながら、実際に神楽と合わせてみると、デジタル技術との融合は、容易いものではなく、以下のような問題が発生しました。

  • 舞手とセンサーとの距離をある一定範囲内に収めないと認識不可になる
  • しゃがんで丸くなると人と認識されない(人間の骨格ではないと判断)
  • 神楽の衣装に依存する認識精度(衣装によって人間と判断されない)
  • 動き(舞い)の速さへの追従性

図1:舞手の動きを捉えるテスト(低い姿勢)

図2:舞手の動きを捉えるテスト(光の色演出)

「神楽として強調すべき舞」を損なうことなく、魅せ場の舞を強調するように、デジタル技術を融合させる。そしてそれが更なる魅せ場となること、その一点に集中し、技術的課題の克服に励みました。

それと同時に、神楽の演目のどこでどのようにこの技術を使うのが良いかを団員さん達と話し合い一つ一つ決めて行きました。

図3:演目中の魅せ場と技術適用箇所(神楽団員との話し合い)

協議の基、以下の様にまとめ、お披露目本番を迎える運びとなりました。


2016年10月14日、お披露目本番となったこの日は、NHK制作 広島発地域ドラマ「舞え!KAGURA姫」の関連イベント「天地をゆさぶれ!ULTRA神楽」が催され、会場には1000人のお客さんで満員でした。その最後でお披露目となるとあって、私も神楽団員さんも不安と期待を抱きながらドキドキでした。

こちらがその模様です(フルバージョンはこちら

KAGURART feat. imayoshida kaguradan / short from yampuu on Vimeo.

見て下さったお客さんの声として、

  • 新しいものが観れて良かった
  • 是非オリンピックで舞って、全世界に神楽の良さを伝えて欲しい

等々のコメントを頂き、苦労してみんなで創り上げてきたことが報われてうれしかったです。

最初は、融合しようにもお互いがお互いのことをよく把握できていない部分も多く、団長を始め、デジタル技術に難色を示す場面もありましたが、議論を重ね、歩み寄ることで素晴らしいステージを作り上げることができました。

照明を始めとする会場スタッフの皆さん、NHK番組制作の皆さん、今吉田神楽団の皆さん、技術/プロジェクター提供の柳谷さん/三谷さん、現場・当日の司会進行のNHK広島アナウンサー上原さん、本当にありがとうございました。