みなさんこんにちは、ファブラボ山口の田吹です。今回は2016年下半期に実施した3つのワークショップと、実施して感じたことをご報告いたします。
レーザーカッターで作る 機織りワークショップ
(@北九州イノベーションギャラリー)
2015年にファブラボ山口で実施した「minimini機織りワークショップ」をアレンジして、小型のオリジナルの機織り機を開発し、ワークショップを行いました。機織りというテーマは、北九州市に「小倉織」という伝統工芸があることにもちなんでみました。機織り機の設計図はFabbleで公開していますので、ぜひみなさんも身近な素材で作ってみてくださいね。
年賀状&クリスマスカード作りワークショップ(@北九州イノベーションギャラリー)
ちょうどこの時期は北九州イノベーションギャラリーさんで「ゴムのちから」展を開催していました。展示に関連させて「レーザーカッターでゴムが加工できるよ!」というアピールがおもしろいのでは?ということで、ゴムを加工してスタンプを作る様子を見学していただくと同時に、そのスタンプを使ってカードを作るワークショップを行いました。
体験美術講座「盲目の秋」
山口市の美術団体Do a frontさんにお声かけいただき、市内の今八幡宮様をお借りしてワークショップを実施させていただきました。美術展のテーマが「見えない風景」ということから、レーザーカッターで切り出したオノマトペを組み合わせ小箱を組み立てて、言葉で風景をつくることに挑戦しました。
ワークショップを通じて感じたこと
ワークショップを企画するときにいつも念頭に置いているのは「手を動かしながら、さまざまな素材・色・かたちにふれられること」です。
正直に申しますと、私の企画するワークショップは、決して高度な技術を学べるわけでもなく、珍しい体験ができる、すごくかっこいいものが作れる…わけではないと思います。そのため、ファブラボやメイカースペース以外で行われている工作教室や、学校教育での図画工作や美術と何が違うのだろう?と考えてしまうこともあります。
でも、私はワークショップの場が好きです。参加者それぞれの思いを、講師や他の参加者、あるいは素材との対話を通してかたちにしていく過程をご一緒させていただくことは、とても豊かな時間だと感じています。
作り出されるもの・発想のおもしろさはもちろんのこと、親子で一緒に参加していただいて、いつもと違った子どもの一面を見ることができたと喜んでくださる保護者の方や、新しい体験ができたことを楽しそうに話してくださる方もいらっしゃいます。
そんな時間を作りだすために必要なのが、企画者自身の思いが反映された道具であったり、素材なのではないでしょうか。もし、私が取り組んでいることを言い換えるとしたら「体験をデザインするためのものづくり」ということかもしれません。
「こんなものがあったら、参加者の人はどういう風に使うだろう?」手先が不器用で、ものづくりに特別な知識のない私でも、そんな思いをただちに美しくかたちにできるのが、デジタルファブリケーションの良さであり、実践の場・ファブラボの魅力であると感じています。