【from Sendai】たのしかった!\氷見合宿!/

小野寺 2月5〜7日、氷見漁業交流会館「魚々座」内の海洋文化ラボにお邪魔し、3日間かけてものづくり合宿を行ないました!

益田 ファブラボ太宰府、ファブラボ北加賀屋、ファブラボ浜松、FJN、そしてファブラボ仙台から総勢10名が参加しました。

大網 そもそもこのプロジェクトは、去年の10月頃にYMMF(Yamaguchi Mini Maker Faire)の帰りに立ち寄った際に「何か一緒にできたらいいね!」と言っていたところから始まり、昨年末くらいから準備を始めました。

himi_1 Photo by Kana Masuda

 

大網 なによりもまず、魚々座は漁港の横にメイカースペースがあるというその環境がまず良いですよね。

小野寺 初めて行った日は夕方だったから魚々座内全部を見ることはできなかったけど、海洋文化ラボエリアを見ただけでも、これはかなり面白い場所なのでは?って。上から網やら何やら不思議なものが吊るされてるし。

益田 漁具のコーナーや漁業に関する様々な書籍もあったり、奥では和船も制作されてましたね。

大網 始まったばかりのラボということで、スタッフの方達も試行錯誤をされている状況でしたね。

 

himi_2himi_3Photo by Yuichi Hirose

 

小野寺 実際にお邪魔したのは2015年の10月だけど、元々は結構前から存在は知っいて。私の友人が海洋文化ラボで働いているのだけど、その関係で一昨年の夏頃にラボのスタッフさんがファブラボ仙台に遊びに来てくれたんだよね。そのときはまだラボは準備段階で、「氷見にもそういう場所ができるんだ〜」くらいにしか思ってなかったんだけど、Facebookページに日々アップされる面白い写真や情報を見ているうちに「これは絶対に行かなきゃ!」っていう気持ちになっていったんだったな。

益田 どんなところにご縁があるかわかりませんね。

大網 それは本当にそうだよね。YMMFの帰りに、本当に短い時間ふらっと立ち寄って、「あーいいところだなー!」って思って。それで「絶対戻ってきます!」って言って、本当に戻って来ちゃうっていうね。

益田 それだけ私たちは心惹かれたわけですね。

大網 今回の合宿では、“全員行きにくい場所にある”っていうことがかえって面白いポイントになったような気がする。

小野寺 確かに。みんな本当に来ると思わなかったもん。

益田 海洋文化ラボのみなさんも驚いてましたしね。だって一番早い方で、氷見まで5時間半かかってましたし。

大網 だから、都市部じゃなくて逆に地方の面白い場所のほうが人が集まってくるのかもしれないなって。まあ今回はオープンなイベントというよりかは、お互いの技術を高めあおうっていうことで、ファブラボ関係の中から手を動かせるメンバーに声をかけたっていうこともあるから、より面白い人ばかり集まったのかも。

小野寺 あとは、海洋文化ラボはまだオープンしたばかりで機材が全然活用できていないから、それらを使って何か面白い作品や使用例を見せてほしいっていうラボのみなさんからの要望にお応えするっていうのも目的のひとつだったね。「ファブラボの方ってみんな何か面白いものを作れるのよね??」って期待されているような気がしたから、「じゃあそれにお応えしてみせましょう!」ということで、普段ファブラボ仙台がよくやりとりをしているラボのみなさんに白羽の矢がたったわけです。

 

益田 合宿では3つのテーマを設け、参加者はその中から一つ選び作品の制作に取り組みました。


1.海洋文化ラボの機材を使用したワークショッププログラムの提案

  • 漁具は漁師たちの知恵の結晶。ラボの工作機器を使いながら、漁具に使われている技術を使ったり、他のものと組み合わせたりして新しいワークショップのプログラムを考えましょう!合宿が終わった後、魚々座はもちろん、色んなラボで完成したワークショップが行われるのが目標。

2.デジタルファブリケーション機器を活用した漁具の制作

  • 港と隣接している魚々座は漁具のトライ・アンド・エラーに最適。ラボで作った漁具をすぐに海で試し、さらに改良を重ねましょう。魚を取らなくても、漁具の要素を活かし、何か新しい物を試作しても良しです。(例:漁網の構造を利用したハンモックなど)。

3.魚々座内に設置されている展示品のハック

  • 魚々座の4000にものぼる展示物をハックしましょう。動きをつけるも良し、光らせるも良し、インタラクティブにするも良し。魚々座常設を目指して、ハッキングを繰り返し、来場者を驚かせましょう(もちろん良い意味で)。

大網 5日(金)の14時に集合して、7日(日)のお昼には解散するという、作業日数が2日にも満たないなかなかハードな合宿でしたね。

小野寺 初日は魚々座内をじっくりご案内いただき、その後は氷見杉を扱っていらっしゃる岸田木材株式会社さんの製材場を見学させていただきました。

益田 振りかえってみると本当に盛りだくさんの3日間でしたね。

大網 今回の合宿で良かったと思うことがもう一つあって、特に事前に示し合わせてなかったけど、みんなそれぞれ制作用の道具を持参きていたのが本当に素晴らしいなと。

小野寺 かなづちは忘れたけどね。(笑)

大網 例えば巾嶋さんは自作のデバイスを持ってきてたり。

小野寺 太宰府の中澤さんたちも切削用の基盤とか手芸素材を持参してたし、廣瀬くんのツールボックスも良かったな。

 

himi_4Photo by Yukiko Yoroidaka

 

大網 だから、現地の素材を使ってものをつくるっていうのも良いんだけど、“しっかり準備をしておく”っていうのが何よりも大切なんだなと思ったわけですよ。

小野寺 それは“ファブラボ関係者”感があって良かったと思う。今回みんなそれぞれ道具や素材を持っていったら、海洋文化ラボのみなさんが「こういうものがあると便利なのね!」とか「勉強になる!」っておっしゃってたな。

大網 道具を見せ合うっていうのは面白いなって思って。「“あなたの道具箱見せてください”みたいな企画をやったら面白いかも!」って話してたけど、合宿中にやれば良かったな。

益田 それを考えると、考現学チームが参加できなくなってしまったのは本当に残念でしたね。

大網 ただ見せ合うっていうのももちろんだけど、“それを作るために何を使ったのか”を見せ合うのがすごく楽しい。

小野寺 うんうん。スケジュールの話に戻ると、1日目はリサーチをアイディア出しをやって、2日目は朝からがっつり制作作業をしたね。

大網 海洋文化ラボ近くのレジデンスに滞在させていただいたんだけど、そこの1階にまさかのバーカウンターがあって、そこでみんなで並んで作業をしたのが面白かったな。

益田 あれはあのレジデンスならではっていう感じで良かったね。

 

himi_5himi_6Photo by Kana Masuda

 

大網 あのバーカウンターでみんなで作業をしてたあの時間は本当に「豊かだな〜」っていう感じがした。

小野寺 もし自分で“ものづくり居酒屋”とか“Fab Bar”をやるとしたらこんな空間がいいなって。カウンターの中心に大将的な人がいて、みんなの作ってるものを見てコメントしてくれるの。

益田 技術に詳しい人はもちろんだけど、誰があの場所に立ってもそれらしくなるし、立つ人によってカウンターの雰囲気が変わるのが良かったですね。

大網 あの形態は、隣の人の作業は見えるけど、正面に座っている人とはある程度距離があるっていうのがちょうど良かった。あとは何より充実のコンセント数。

小野寺 カウンターのサイズも絶妙だし、これはものづくりのための環境をデザインする上で、とても参考になる空間なんじゃないかな。

himi_7himi_8Photo by Yuichi Hirose

 

益田 作品制作については、当初は3つのグループに分かれて行なう予定でしたが、最終的に一人一作品以上つくるという結果になりました。

大網 テーマに沿いつつも、それぞれ全く毛色の異なる作品ばかりで面白かったです。

小野寺 ちなみにファブラボ仙台チームはこんなものを作りました。


3Dプリンタでつくる”ぶり”型

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益田 わたしは、3Dプリンタでつくる食品用の「ぶり型」をつくりました。ワークショップを考えるにあたり、スタッフのみなさんにインタビューしたところ、「Illustratorは使えるが3Dデータはむずかしい」「魚のシルエットデータ(.ai)はたくさんある」「食品用の型をつくってみたい」という声があがりました。

そこで、現在あるお魚のシルエットデータを用いて3Dデータをつくり、食品用の型を完成させてワークショップの道具を考えることを提案しました。

そして、今回制作したのが、ぶりシルエットの抜き型と押し型です。このキットがあれば、富山県の名産品である飾りかまぼこや押し寿司はもちろんのこと、クッキーなどのお菓子もぶりの形でつくることができます。

くわしい作り方はfabbleをご覧ください。

レーザーカッター&3Dプリンタを使った編み具

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小野寺 魚々座の展示物のなかで私が最も心を奪われたものが、よしずや簀(すのこ)を編むための編み具です。現在ファブラボ仙台で取り組んでいる和紙プロジェクトでは、紙漉き道具の再設計を行なっているのですが、まさにこの編み具が紙漉き道具である「簀(す)」を編む用具とそっくりだったので、これはぜひとも作ってみたい!と制作にチャレンジしました。また、こういった展示品を簡易的なかたちに落とし込むことで、ワークショッププログラムへの転用ができないかと考えたのも制作理由のひとつです。

制作した編み具を使って試し編みをしてみたところ、色々課題が見えてきたので、これからも引き続きブラッシュアップを行なっていきたいと思います!

▼詳しくはこちら▼

木のルアー作り

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大網 合宿中に木材製材所の見学させてもらいました。そこにあったのは柔らかく、とても軽い氷見杉というその土地特有の杉で古くは船の材料として用いられてたのではないかと言われているそうです。魚々座が漁港そして海に隣接しているので、何らかの漁具を作ってみたいなと思っていたところで、この素材と出会い、そこから木材を削ってルアーを作ることにしました。

3Dデータをドリルで削ってくれるモデラというマシンで厚い板を両側から削り、ルアーのボディを作り、水に放り込んでルアーとして使えるかどうかの実験までしました。まだまだ修正点はあるものの、ルアーはしっかりと水に浮き、滑り出しは上々です。もちろん、データがあれば同じ形が作れるので仙台でも出力できます。

釣りの道具を作りたい人とお話しする機会が最近多いので色んな人達がつながって、オープンに釣りを楽しめるようになるといいなと考えているので、興味のある方はお声がけください!


大網 この合宿の反省点を一つあげるとしたら、現地のみなさんとじっくりコミュニケーションをとりながら作業を進められなかったこと。海洋文化ラボのみなさんに喜んではいただけたもの、それぞれ自分の作業に集中しすぎたかもしれないなと。

益田 今回は白石さんにその部分を任せっきりにしてしまった感じでしたね。

小野寺 スケジュールの都合上仕方ない部分もあったけど、白石さんの人との関係の構築方法とか、周りの巻込み方は本当に勉強になりました。

大網 まさに船頭さんですね!

himi_9Photo by Takuma Oami

小野寺 今後の密かな野望としては、「立ち上げたばかりで、機材をどうやって活用すれば良いか分からない!」って困ってるメイカースペースにみんなで乗り込んで、またこういった合宿ができたらいいなと。

大網 ちょっと良いなと思っている場所があるので早速アプローチしてみますね。(笑)

小野寺 そして現在は、今回の合宿で撮影した写真や動画のドキュメント作業を行なっています。イベントとして面白かったというだけではなく、どういった思考やプロセスでものが生まれたのかということを振り返ることができるような方法を絶賛模索中です。

益田 合わせて各自が制作した作品のデータの公開準備も行なっていますのでどうぞお楽しみに!

小野寺 最後になりますが、突然のお誘いにも関わらず遠方よりお集まりいただいた参加者のみなさま、本当にありがとうございました!

益田 そしてなにより、今回の合宿開催にあたりアートNPOヒミング 海洋文化ラボのみなさまには何からなにまで本当にお世話になりました。スタッフのみなさまの多大なるご協力に心より感謝申し上げます!

大網 次回はあなたの町に!

 

himi_10Photo by Rika Uechi