【from Kamakura】FabLearn Asia 2015 :  報告 / 分析レポート

こんにちは、ファブラボ鎌倉の渡辺ゆうかです。2015年12月12-13日、たくさんの方々のお力添えやご参加もあり「ファブ x 教育」のこれからの可能性を考える、アジア初の国際会議FabLearn Asia 2015 (ファブラーンアジア)を無事に成功させることができました。まずは、現場で何が起こっていたのか空気感が伝わればとダイジェストムービーをご覧ください。

FabLearn Asia 2015 from FabLabKamakura on Vimeo.

本会議の詳細は、ライターの庄司理紗さんがとても丁寧にまとめてくださいました。会議の詳細な内容は庄司さんのレポートでご覧いただけるため、こちらでは割愛させていただきますね。

私が今回お伝えしたい事は、実施した会議のグラフから見えてくる可能性です。それでは、まずは1つめのグラフをご紹介いたします。

グラフ No.1 : 参加者内訳

 (各日定員:200名 / 述べ参加人数:416名)
グラフ1_参加

この図は、どのような参加者が会議に参加していたのかを示しています。今後の教育の可能性を考える上で、学校のICT化や3Dプリンタの導入ということが進んでいますが、やはり先生や学校だけで全てを担うことが難しい状況です。とくに技術的な面を誰が担うのかなどはよく話題になります。どうすれば大学、地域、企業、行政といった連携を促進することができるのか。すぐに解決とはならなくとも、いろいろな関係者とともに状況を好転させていく第一歩になりそうな参加者の内訳となりました。国内の教育関係者の数よりも学生参加者の方が多いというのも、興味深い傾向です。一般参加者も国内外のFabLabやMakerSpace関係者が多い傾向です。

グラフ No.2 : 参加国

グラフ2_国籍

次のグラフは、参加国を示しています。国際会議と言えども日本からの参加比率が高いです。その要因として、アジア諸国から参加するには渡航費や滞在費を捻出のハードルは大きいです。そんな中でも、台湾から多くの方々が参加してくれました。他には、日本の大学に所属している中国人留学生、マレーシアからは国際交流基金(Japan Foundation)の補助を受けて来日していた研究員が参加していました。日本としていますが、インターナショナルスクールに所属している教育関係者も含まれています。

グラフ No.3 :  参加都道府県

グラフ3_国内

次の図では、国内からの参加者がどの地域から来たかを示すものです。総じてSTEMやFABを積極的に取り組んでいるエリアとも言えるかもしれません。遠方からの参加は、福岡がダントツでした。意外だったのが、島根県からの参加率です。こうした想定外は、とても嬉しくなります。その地域に熱心な方がいるというだけでも、希望ですね。人材育成にむけての長期的な取り組みがどのように地域を盛り上げていくのか、とても楽しみです。

グラフ No.4 : 参加者の年代

グラフ4_年代

会議の多様性を示すには、とても良い円グラフとなりました。本会議では、10代から60代までの幅位広い年齢層が参加していることがわかります。多様性を理解するには、多様性の中に身を置くことが一番だとも思っています。出会ったことがないようなファンキーな人生の先輩や後輩に出会うだけでも、たくさんの勇気をもらいますし、それまでとは違った視点を与えてくれます。歳取ると歳のせいにしがちですが、歳のせいにしないためにも多様な世代との出会いは大切です。

まとめ

教育をもっと面白くできるのではないか、学習環境を創造的に変えていきたいとする個人、自治体、学校法人、企業の方々と出会うことができました。まずは参加し、理解を深め、スキルアップしながら、一緒にアクションを起こしたいと思える仲間をみつける。課題も国内外のFabLabの運営と共通しており、「人づくり」のための長期的視点や持続可能な実施体制づくり。あまり語られることが少ないのですが、より良い体制づくりも、とても大切な「ものづくり」の一貫です。新しい取り組みをまずはやってみようと、学校、行政、 法人、個人で試行錯誤していきながら、どのような役割で、どのように強みを活かせるのかをつくりながら考えていく。国内外の実践者や興味のある方々にお会いできたこともあり、「面白い状況をつくりだせる」という実感を持てたというのが、私にとっての一番大きな出来事でした。そして何よりも、会議を実現させるために事前準備から当日の運営まで10代から60代までたくさんの方々がサポートしてくださいました。自分の限界を知り、チームワークの可能性を心から感じる毎日でした。本当にありがとうございました!

今回がはじまりであるように、どう次につなげていくかは、やはり実践しながら社会に提示してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします!

渡辺ゆうか

 

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