【from Kitakagaya】夏の発表会

こんにちは、ファブラボ北加賀屋の白石です。今回は、”もの”を作っている話ではなく作ったあとの話です。

ファブラボでは日々何かが作られています。せっかく作ったのだからそれを”多くの人に見てもらいたい”、”手にとってもらいたい”と制作経験のある人なら一度くらいは考えたことがあると思います。手にとってもらい直接反応を受け取れる機会は、インターネットを通じグローバルに情報発信するのともまた違った経験を積むことができます。

さて、ここ大阪でもそんな機会をあたえてくれるイベント昨年から発足しており、”Makers Bazzer Osaka”という名前で、大阪南港ATCで毎年2回開催される予定です。

“自分達でデジタルものづくりで製作した「もの」を発表・販売するイベント”というコンセプトの下、この6月にvol.2が開催されました。北加賀屋からも有志が集まりたくさんの作品や商品が発表されました。何を考えて開発に至ったか?発表してどうだったか?なども含め、製作者ご本人から作品を紹介していただきたいと思います。

12面体スピーカー|イトウさん

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こんにちは、FabLab Kitakagayaのイトウです。今回は大阪のATCで行われたメイカーズバザール大阪に展示しました
12面体スピーカーについてです。

このスピーカーは、擬似的に点音源を作り出し、部屋の壁や天井に反射して帰ってきた音が耳に届きますので、音の再現性がよくやわらく聞き疲れをしにくいといった特徴があげられます。そして、自宅リビングに設置するので吊り下げられることが一番重要でした。

製作にあたり、決めたルールがありました。
“失敗してもやり直しは、しない!”
妥協するのではなく、そこからのリカバリーを追求する事にしました。

あるモノ(材料・時間・マシン)を消費するのですから効率的に使いたい、消費社会への反抗でしょうか…
それに、完成しなければ正に時間の無駄ですから。

3DCAD図面を書き、早速CAD上で組み上げてみたのですが
パーツ同士が接触していますと警告が表示され、原因はなんと接着面の角度を小数点第2位で四捨五入したのが問題でした。

実際の加工は、Lab内で一番の大型機械CNCが思ったように動かず
特に今回のような、3D切削は経験が少なく情報は蓄積されていませんでしたので
本当に手探りな状況で、trial and errorを重ね、実際に加工出来たのは1ヶ月後の事でした。

メイカーバザール大阪では色々な方にお会いでき、お話しする中で刺激も宿題も頂いて
ゴールはまだまだ先、音の追求もモノづくりも続きそうです。

ボードゲーム”すみのえ”|たなごころさん

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手作りボードゲームチームたなごころです。新しいゲームのルールを考えて、身近な素材を使いアナログゲームを作っています。メイカーズバザールではボードゲーム「すみのえ」を出展しました。

ボードゲーム「すみのえ」は、バザールの会場でもあった大阪市住之江区を舞台としたゲームです。住之江の街をめぐりながら区の花である”さざんか”を咲かせていき、自分の色の花を多くのエリアで咲かせた人が勝利します。

昨年「期間限定ファブラボ小豆島」にて小豆島のボードゲームを作ったことがきっかけで、住之江区の区役所で住之江区のゲームを作って遊ぶワークショップを開くことになり、そのために作りました。
大きな住之江区型のボードとコマはCNCルーターで切り抜き、レーザー加工機で彫刻を入れています。さざんかの花はカッティングプロッターを使用して作ったペーパークラフトです。

デジタルファブリケーション機器を使って作るアナログゲーム。当日は子供から大人まで、幅広い年齢の方に遊んでもらいました。

プログラ民具|森本さん

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プログラ民具とは、名前の通り随所にプログラミングの考え方や作法を拝借した日用品のコンセプトで、機能を持ったコアモジュール(データやパーツ)に、自身で製作したカスタムパーツを組み合わせて、様々なデザインや機能を付加させながら作ることができるプロダクト(パーツ)をいくつか作ってみました。

最初に選んだ製品はなぜかテープカッター。「切る」「回す」「クランプする」など、汎用的な機能を持ったコアパーツを利用し、好きな形、サイズ、あるいは使用環境に応じたテープカッターを作ることができます。また、各パーツはレゴみたいにくっつけることができます。

ただ、コアパーツは他のプロダクトへの展開を考えると改良の余地ありです。どこまでをコアにすべきかもブレてますし、テープカッター以外の製品で、もう少しいろいろ作ってみようかなと思います。とりあえず小学校低学年ぐらいの男の子に「レベル高いな」と言われたことが嬉しかったです。

ノートの方は単純に面白がってもらえました。耐久性が不安だったので大々的には販売はしていませんでしたが、「いつかちぎれますよ」と伝えて、それでも欲しいという方には売りました。一方、何人かの方には「実用新案も出してへんのに、こんなとこでアイデア垂れ流したらアカンで」と軽く怒られました。イベント後Fabbleにアップしましたが、商品として考える場合、実はその辺をよく考えないといけないなと思いました。

ビルドケット|青春あるでひど アニワギ

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ビルドケットは、A4サイズのMDF一枚からレーザーカッターでパーツを切り出し、組み立てるけん玉です。

そもそもは、形の守られてきた伝統的なけん玉に対して、各プレイヤーが自分の好きな形にけん玉をつくり変えていくためのプラットフォームにするべく作ったものです。設計図が3Dではなく2Dであることが特徴で、設計のための基礎知識の習得が容易です。

苦労したのは、けん玉をプレイしても分解しにくくすることで、この点は最終的に、ボルトナットを使うことで解決しました。また、気持ちのいいプレイ感になるように、たくさんの試作をしました。

今後は、このプラットフォームを公開して、逆にアイデアをフィードバックしてもらうことにより新しいけん玉の形へとバージョンアップを行う方法を模索していきたいと考えています。

ファブビークルプロジェクト|ファブビークルチーム

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たまたま,ファブラボ北加賀屋に集まった,3DCG,プログラミング,機構などの専門家が,「動くモノ」を作るというテーマで共同開発をしています.現在は,デジタルファブリケーションと電子工作による「ミニ四駆ハックマシン」の開発をメインとして,各人が持つ専門技術を共有しながら,これまでにない新しいミニ四駆実現を目指して活動を行っています.

また,ミニ四駆ハックマシン開発で得られた、技術や知見をワークショップという形でまとめる取り組みも行っています.これは,KIT−CARという1台の車を一から作るあげることで,フィジカルコンピューティングやデジタルファブケーションというコンピュータを中心とした技術だけでなく,4輪車を作る上で必要となる機構の基礎技術も学べるものを目指したものです.

メイカーズバザールでは,「こんなミニ四駆を作ってみたいけど,作り方をどう勉強するべきか分からない」という声や,KIT−CARワークショップに興味を持ってもらえる人が,何名もおられ,このようなワークショップのニーズに手ごたえを感じることが出来ました

みなさん、紹介ありがとうございました。

今回紹介させていただいた方々は、日常的にラボに来て、ものづくりをし、その続きとして当然のように公開・発表しています。

発表・公開はメリットだけではなくデメリットももちろんあります。しかし、この一線を越えることで得られる経験は他の状況ではなかなか得られないものです。

うまくいった部分の自負と、詰め切れなかった部分への猛省。他の人の手に渡ることで、作ったものが自分の手から少しづつ離れていく感じ。そして、その”もの”を通じて周りの世界を少しだけ変えられるかもしれない可能性。

まだ未経験の方、こんな気持ちを感じるために一歩前に踏み出してみてはいかがでしょう?非常に労力のかかることですがそんなに悪いものじゃあないですよ。