FabLab浜松は2014年7月にオープンしてもう少しで1周年を迎えようとしています。ここ1年での活動をご紹介したいと思います。
ラボ外観
1.大型CNCの導入
浜松と世界の入り口になる事を目指しFabLabを開設しました。その一歩がFabLab標準機器の整備です。これまで、レーザーカッター、CNCミリングマシン、カッティングマシン、3Dプリンタ、3Dスキャナなどを揃えてきました。ただ、大型のCNCを導入になかなか踏み切れないでおりました。しかし、この春ついに大型CNCがやってきました!
ShopBotが良かったのですが、予算の関係で同等の切削能力、フルサイズ(4×8″サイズ)の板材を加工出来るワーク範囲を持ったCNCミリングマシンを導入しました。中国から直接輸入したため、いろいろこれまでにないトラブルが発生しましたが、これも良い経験です。今後はこれを活用して、家具などの大型の作品を製作に取り組めるようにして行けたらと思っております。
大型CNC
2.利用システム
ファブラボ浜松は特定の団体、企業から支援を受けて出来たラボではなく、農家の納屋を改装して起ち上げた独立ラボです。この点については、現在利用料、及びメンバーシップをお支払い頂く事で消耗品の購入、ラボの運営に充てております。1週間のうち6日間はメンバーの利用に限り、残り一日(現在は毎週木曜日18時〜)をオープンデーとして一般の方の見学/有料利用を受け付けております。
3.立地
ファブラボ浜松は浜松駅周辺市街地から西へ10kmほど離れた田園地帯にあります。ラボから車で5分も走れば地方都市のシンボルである大型商業施設、大型ホームセンター、ドラッグストア、外食チェーン店が立ち並び、材料の調達、買い物などには恵まれた立地です。一方、車が無いと移動が困難で、浜松駅からはバスに20分ほど乗って移動する必要があります。国内の多くのラボが各都市の中心市街地に設置されるのに対し、農村の中に立地している点は、以下のような点から独特な雰囲気を作りだしているように思います。
農村に位置するファブラボの魅力
・農家さんとの距離
・自然との距離が近い
・開放感
・音の出る作業を気にせず出来る
・駐車場の確保のし易さ
・敷地の確保のし易さ
やむ終えず中心市街地から離れた場所でラボを開き1年運営してきましたが、日本全国から訪れるゲストにより中からは見えない魅力を見つける事ができました。市街地に立地する様々な施設、団体、イベントに混ぜてもらう事で、今後も魅力を高めて行きたいと思います。
かまど
3.世界同時講義FabAcademy開講
MITのニール教授の授業を世界中のFABLABでオンライン受講出来るという半年間のプログラムがFabAcademyです。この講座を浜松で開講できる権利を昨年遂に獲得し、開講に必要な機材を全て揃えました。そして、今年のFabAcademy2015にはファブラボ浜松で1名受講者をホストしております。
仕事が終わってからの深夜の授業。時差の関係で日本では毎週水曜日23時〜25時での開講という体力的に過酷な授業ですが、現在(5月執筆)も受講生の方が卒業に向けて必死に頑張っております。ラボとしても全面的にサポートして行きたいと思います。
Fab Academyの様子
まだまだ発展途上のラボではありますが、今後も地域に根ざしたラボとして浜松と世界の一つの窓口になれるよう継続して行きたいと思います。どうぞ今後も宜しくお願い致します。