ファブラボに関する実態調査を実施しました

日本初のファブラボが2011年にオープンしてから7年を経た2018年5月、FabLab Japan Networkは、ファブラボの利用動向や運営の現状把握を目的にした基礎調査を行いました。

ファブラボの運営者、利用者、そして一般の人々を対象にしたもので、その調査結果の概要を以下に公開します。なお、スライド内のグラフをマウスオーバーすることで、各回答結果が表示されます。

 

1. 一般調査結果

3Dプリンター工作経験者は全体の11%、木工工作・手芸クラフト経験者等と比べて割合は少ない

工作・クラフトの経験を見ると、木工工作および手芸クラフトは比較的経験の割合が高く、それぞれ回答者の40%あまりに経験があります。一方、3Dプリンター工作は比較的経験の割合が低く、経験者の割合は、約11%にとどまっています。

ファブラボを「知っている」は全体の30%弱、デジタルファブリケーションを「知っている」は全体の約50%

「デジタルファブリケーション」、「ファブ施設(ファブスペース)」、「ファブラボ」の認知度をを見ると、それぞれ回答者全体の 約51%、34%、28%となっています。さらに「ファブラボ」については、利用経験者は回答者全体の約8%でした。

ファブラボの認知・利用度合いを見ると、性別や、子供の有無、年齢によって傾向に違いが見られました。

 

2. ファブラボ利用者調査結果

ユーザーの85%以上が、今後も利用予定

ファブラボ利用ユーザーの85%以上が今後も利用を予定しています。一方、ラボの掃除について改善のニーズが約33%、機材の追加ニーズが約40%、機材トラブル改善のニーズが約21%となっており、各ファブラボのさらなる改善が望まれます。

利用者の属性は、ラボから近所、30〜40代、男性が特徴的

ファブラボ利用者の属性を見ると、主な性別は男性、年齢は35〜44歳となっています。また利用頻度については、月1回以上のリピーターが過半数を占めている。さらに、利用者の52%がラボから30分圏内から来訪しており、ファブラボが今後アプローチしていくエリアについての示唆が得られます。

国内外のファブラボとの交流に、興味ありながら接点のない利用者が目立つ

国内や海外の他のファブラボとの交流については、それぞれ利用者全体の約42%、約66%が興味があるものの接点が現状ないとの回答でした。国内外のファブラボとの交流は各ファブラボが引き続き積極的に取り組むべきテーマと考えられます。

 

3. ファブラボ運営者調査結果

ユーザーは月10名以下のラボが多いスタッフは2名以下のラボが全体の約80%

ユーザーについては、一般のユーザー/会員・常連ユーザーともに月10名以下のラボが多く、それぞれ全体の約60%、約50%となっています。スタッフについては有給スタッフ2名以下のラボが全体の約80%、さらに全体の約27%が有償スタッフなしで運営されています。

商業・ビジネス、教育、文化・カルチャーの分野での活動が目立つ

各ファブラボの主な活動分野を見ると、特に商業・ビジネスや、教育、文化・カルチャーの分野で積極的に活動しているファブラボの多いことがうかがえます。そのほか、食(農・水産)、医療福祉、自然・環境が主な活動分野のファブラボも見られます。

プラスチック、木材・紙、電子部品のものづくりが中心

各ファブラボのものづくり分野を見ると、3Dプリント造形等によるプラスチック加工のほか、木材・紙加工や電子部品・電子回路工作を積極的に行っているファブラボの多いことがうかがえます。

収入源は場所・機材・知見を使った幅広い活動から。企業・行政からの支援によるファブラボも。

各ファブラボで行われている活動を見ると、イベント開催などの場所を使った活動や、機材貸しなどの機材を使った活動、講習・研修・コンサルティングなどの知見を使った活動等、有償・無償を含めた様々な活動が幅広く行われていることがうかがえます。また、行政や企業からの支援をもとに活動しているファブラボも見られます。