ファブラボ大分の豊住です。
ファブラボ大分は、「小汚い日本人の豊住と怪しい外国人のStevenです。」を冠言葉に、引っ越して1年、相変わらずのんびり、好きなことだけを行いながら運営しています。
下の画像のようなTシャツをつくってもらえるほどには、場として楽しんでもらえているようです。
我々のイメージはアルコールとカラテ
今回、大分からはこの夏実施したWSを紹介しながら、考えていることなどを書いてみたいと思います。
大分市美術館の企画展に合わせて、開催した紙相撲大会の様子です。この紙相撲というアイデアは、一緒に企画・運営をしてくれたパラボラ舎のたなかさんとの打合せから生まれました。紙相撲というテーマには、さまざまな不安と期待が渦巻いていたのですが、そのあたりはすでにブログで吐き出しているので、記事をご覧いただければと思います。
なおルールは下記のような感じです。
- 力士のベースは統一する
- 土俵を直接叩かず、つっぱり棒をつかう
→小学生の場合、学年による身体差が目立ちやすいため、公平さをつくる - トーナメント方式、一発勝負
- 西軍、東軍に分かれてのグループでの勝敗も決める
つっぱり棒で操作している様子
実際にこどもたちが始めると、さまざまな概念やルールが自然発生していきます。
- 力士=人ではない、闘う生き物であり、自分の分身
- 力士の強化パーツをありあわせの材料で制作する
- つっぱり棒の長さと叩く面の組み合わせを作戦に組み合わせる
- ルールギリギリの線を狙い、物言いがつかないとそれが主流となる
- 試合が終わるたびに、倒れないバランス、つっぱり棒の使い方を共有していく
(頭の向きをこうした方がいいぞ、とか、土俵のxxのあたりを狙ったらいいなど、負けてもグループでの勝利に活かす)
自分の思う力士
負けて悔し泣きする子ども、勝ち残った妹のメカニックになるお兄ちゃんなど、常に土俵周りには子どもたちの熱狂が。ただ眺めているだけではなく、目や他の力士の動き方など、感覚で得た情報を「つくりなおす、修正する」に、しっかりつなげていました。
我々がやってほしいと思って話をした、「おもうがままにつくろう。きみのお相撲さんだ」という言葉、与えられた材料を如何に自分たちのものにつくり変えていくか?を実践しながら、同時に終始ワーワーキャーキャーする声が響き渡る遊びとしても成功したようです。
それとは対象的に、黙々と、自分の世界に入り込んでもらえるWSもありました。
創作活動をしている人たちが、地方の廃校をアトリエにするとなるとどんな風景になるのか?(意訳)という目的のもと開催されたイベントで、会場は砂浜まで徒歩3分という立地の小学校跡地。
海という連想からサングラスが生まれ、当日はキット化したものを材料として使いました。同サイズ、同シルエットのキットなので、周りと差異が生まれるのはレンズとフレームの色のみ。一色、柄、イラストと40人近い子どもたちは隣を見ることもほとんどなく、思い思いにフレームに色を付けていきます。
最後に質問をしました。
「カタチを変えたり、大きさを変えたり、もっとやってみたいなと思った人?」
ほぼ手は上がりませんでした。
「今回できたサングラス、めっちゃお気に入りの人?」
ほぼ全員の手が上がりました。
サングラスの場合は、もっとやりたい・手を加えたい欲求より、できあがったモノへの満足度の方が高かったようで、愛着を持ってもらえたようです。
サングラスキッズ+WSおじさん
WSおじさんとしては、不注意から起きる怪我だけには気を付けながら、楽しそうな様子を見ることができれば、特に言うことはないのですが、たまに子どもたちからこんな空気を感じます。
「遊び方にまで口出しすんなよ。こっちは真剣に考えて遊んでるんだよ。」
「やることをくれなくていいから、入口がどこにあるか教えてくれれば、もういいよ。」
ビー玉遊びがビー◯マン、ベーゴマ遊びがベイ◯◯ードとなって人気が出たように、遊び方にバージョンアップはつきものです。だからこそ、もっとこうしたい!という新しい欲求をつくりだすきっかけづくりになって欲しいと思ってWSを実施しています。
そうこう感じながら、次はどんなことをして遊ぼうかと頭を働かせているファブラボ大分です。