FabLab Shibuyaの梅澤です。鎌倉、つくばに続き、2012年11月にオープンした渋谷。スタンドアロンではなく、ある施設の機能拡張として立ち上げられる、最初の事例になりました。「co-lab渋谷」というクリエイター向けのシェアオフィスの一部を、「ファブラボ」として開放しています。
FabLab Japan に、co-labの主宰、田中陽明さんが声をかけて下さったことがキッカケで、有志7名が集まり、2012年1月に渋谷立ち上げの準備が始まりました。その時点で既に10年近い文化のある「co-lab」に、如何にしてファブラボを共生させるのか。それが一番最初のプロジェクトとなりました。今ではその「機能拡張」が渋谷の主活動となっています。
より力強い活動を行えるよう、2013年10月にデジタルファブリケーション協会として法人化をしました。ファブラボ渋谷で学ぶひとつひとつを活用しながら、いくつかの企業さまと共に、既存のしくみの中に、ファブラボ/ファブを組み合わせる事業を展開しています。
事例紹介
- 「カスタマイズ工房”&Fab”」コラボレーター:株式会社ロフト、株式会社良品計画
- 「クリエイティブラウンジ」コラボレーター:ソニー株式会社
- 「湘南ラウンジ-FabSpace-」コラボレーター:カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
(※5月より、ファブラボ藤沢としても運用開始予定) - 「ビジネスクリエイティブヨコハマ」コラボレーター:横浜市
さて、本題のファブラボ渋谷に戻します。ここは、渋谷付近に集う、老若男女さまざまな方に通っていただける工房です。主に、30代後半の社会人の方が多いかな?という印象です。渋谷でつくられるモノも、バラエティ豊かですが、主に「自主実験」にあたるものが多いように思います。工作機械にとことん向き合う機会があまりない中で、自分のイメージにはまるまで、とことん機材を使ってみる。そんなことができるのも、ファブラボの楽しみポイントかも知れません。時にスタッフが国内外のファブラボや関連した活動を紹介することで、新しいアイディアにも繋がっているようです。
今回の記事では、コレまでに行った「自主実験」に関連したプロジェクトを、ふたつご紹介します。
※この記事を書いている2015年4月の時点では、事情により工房開放をお休みさせていただいています。近日、利用方法をリニューアルして、再開放する予定です。
その1,3DP Fab Challenge
3Dプリンターの可能性を実践的に探っていくプロジェクト
2014年2月から5月にかけて実施した、ストラタシスジャパン社とコラボレーションし、オートデスク社にサポートいただいたプロジェクトです。参加者にプロフェッショナルユース向けの3Dプリンタ「Objet24」を3ヶ月間にわたって使ってもらい、他の参加者との交流・情報交換を通じて、3Dプリンターの可能性を実践的に探っていくことを目的としています。
企業,クリエイター,アカデミックから構成される8つのチームそれぞれが、独自にプロジェクトゴールを設定し、3ヶ月の間、達成に向けて機材に向き合いました。その様子は、instructablesの中でも共有しています。
http://www.instructables.com/id/3DP-Fab-ChallengeとObjet24の使い方/
その2,「メカニズムの標本」プロジェクト
機械の基本メカニズムを読み解くプロジェクト
2014年10月に開催した、書籍「メカニズムの事典」(編・伊藤茂 オーム社)を使ったプロジェクトです。機械設計者のバイブル「メカニズムの事典」には、その名の通り、多くの機構が紹介されています。身近な原理のネタを読み解きながら、気になるメカニズムを再現してみる!をゴールとしています。3週にわたって開催されたこのプロジェクト。普段何気なく使っている機械ひとつひとつを見つめ直す、時間になったようです。つくられた成果は、ファブラボ渋谷に展示しています。
http://www.fablabshibuya.org/archives/3705
以上、ファブラボ渋谷のご紹介をさせていただきました。次のラボにつなぎます。