これまた升森君のペーパーカッター習作なのですが、実はこれ、数理的(幾何学的)にはありえない立体です。面が少しずつたわむことで力を分散しあい、構造として成り立っているのです。多面体っぽく見えますが、実は材の力を借りています。こうした材料特性(曲がるとかたわむとか)を見越して制作するというのは古来からの知恵のひとつでした。 さてしかし、こうした技法をスケールアップしてたとえば建築や構造物に応用するとなると、やはり事前にきちんと計算してシミュレーションする必要が出てきます。そこでいま、SFC田中研のほうでは、たわみを包含する3Dモデリングソフトの開発を進めているのでした。暗黙知や経験知を、できる範囲から記述して計算できることで可能性を拡大できたらと思います(tanaka)。 川口市立映像・情報メディアセンター メディアセブンの氏原茂将さんと、VISCUIT(ビスケット)でワークショップデザイナーとして活躍する山口尚子さんが遊びにいらして下さいました。ワークショップのプロの目から見えてくるFabLabの可能性やこれから恊働してできることなどをお話することができました。川口なら川口の風土をいかした「ものづくり」にアプローチできるようなシステムや、FabLabだからこそできることなどを提案し合い、大きな夢を共有できるとても刺激的な打合せになりました。夢を実現化するために、これからお互いに長期的な視点で何を準備しなければならないのかが見えたのは大きな収穫でした。こうしたジャンルを超えたクリエイティブな恊働ネットワークの広がりこそ大切な資源になってゆくのだと思います。 (youka)