FabLab Kamakuraに来てすぐレーザーカッターが使えるという訳ではありません。高価な機材ですし、安全面でも考慮しなければならないことがたくさんあります。そしてイラストレーターで作成したデータを出力できるといっても、細かな設定など職人的な技も必要とされるのが現状です。そこで、こうしたプロセスを学びながら、楽しんでものづくりできる方法を試行錯誤しています。 今回は、グラフィックデザイナーの池村周子さんにインストラクターになってもらい、一般の方を対象にレーザーカッターで看板を作成するワークショップを実験的に行いました。通常であれば、デザイナーにデザインを発注した場合、打合せでスケッチやサンプルなどを使ってアイデアを共有することがありますが、出来上がりの製造課程まで一緒に行なうということはあまりありません。 通常のデザインプロセス:「企画→図面作成→製造→納品」というプロセスを踏んでから使い手に届きます。 FabLabKamakura:「企画・製造・納品」を同じ空間で一日で行なうことが可能になります。 初期の案から、参加者とデザイナーとが話し合いながら図面を作成し、リアルタイムでデザイン行程を進めていきます。一緒に考えアイデアを出しながらの「ものづくり」です。これを半日のプログラムにしました。デザインの可能性を一般の方に感じてもらうとともに、フリーランスのデザイナーのステップアップの場にしたり、さらに質の高いデザインを街に増やしていくという相乗効果も意図しています。今回のトライアルワークショップから、デザイナーやクリエイターの「教える」という新しい領域をつくり出す事が出来るという実感を持つ事ができました。分断されていた製造プロセスが一緒になることによってできる新しいつくりかた、そしてデザイナー、クリエイターのこれからの役割や可能性をもっともっと模索していきたいです。(youka) 好例のワークショップ終了後の記念撮影 Fab Lecturer : 池村 周子 Ikemura Shuko グラフィックデザイナー/アートディレクター。 国宝美濃和紙業務の仕事に携わった後、商業施設のビジュアルデザイン、スポーツマーケティングのクリエイティブ部に所属し世の中の流れを観た上でのデザイン を心がける。現在はフリーランス。現在の主な仕事はブランディングIC、エディトリアル、など。発展途上国にプロダクトをおくるコンテスト、See-D実行委員としてデザインを担当。 Fab Assistant : 佐々木未来也 Sasaki Mikiya 慶應義塾大学 SFC 政策・メディア研究科 M1 田中浩也研究室所属 学部の頃は千葉で広告・コミュニケーション/グラフィック/エディトリアルデザインを学ぶ。田中研に参加するかたわら、学外活動としてコバルト爆弾αΩという集団にてVJ、oxoxoというインスタレーション集団で下働きなど。