Fab Charter(ファブラボ憲章)は、世界のファブラボが共有する基本理念や運営のガイドラインをまとめたものです。この内容は世界ファブラボ代表者会議やオンラインで議論しながらアップートされ、進化しています。ファブラボと名乗る施設は、この内容をウェブサイトと施設内の目に触れる場所に掲示し、利用者に周知させることが求められています。
原文URL:http://fab.cba.mit.edu/about/charter/
The Fab Charter
What is a fab lab?
Fab labs are a global network of local labs, enabling invention by providing access to tools for digital fabrication
What’s in a fab lab?
Fab labs share an evolving inventory of core capabilities to make (almost) anything, allowing people and projects to be shared
What does the fab lab network provide?
Operational, educational, technical, financial, and logistical assistance beyond what’s available within one lab
Who can use a fab lab?
Fab labs are available as a community resource, offering open access for individuals as well as scheduled access for programs
What are your responsibilities?
safety: not hurting people or machines
operations: assisting with cleaning, maintaining, and improving the lab
knowledge: contributing to documentation and instruction
Who owns fab lab inventions?
Designs and processes developed in fab labs can be protected and sold however an inventor chooses, but should remain available for individuals to use and learn from
How can businesses use a fab lab?
Commercial activities can be prototyped and incubated in a fab lab, but they must not conflict with other uses, they should grow beyond rather than within the lab, and they are expected to benefit the inventors, labs, and networks that contribute to their success
draft: October 20, 2012
ファブラボ憲章
ファブラボとは何か?
ファブラボは、地域のラボの世界的なネットワークである。人々にデジタル工作機器を利用する機会を提供することで、個人による発明を可能にする。
ファブラボには何があるか?
ファブラボは、(ほぼ)あらゆるものをつくるための設備として、共通の機材を備える。この機材リストを各ラボが共有し、進化させていくことで、ラボをこえて協働し、プロジェクトを共有できるようにする。
ファブラボ・ネットワークは何を提供するか?
ファブラボはネットワークとして連携することで、ラボの運用、教育、技術、経営、事業計画など、各ラボで対応できること以上の協力が得られる。
誰がファブラボを利用できるか?
ファブラボは、コミュニティのリソースとして利用可能である。事業のために予定された利用とともに、個人に開かれた場としても利用される。
利用者はどんな義務を負うか?
安全:人や機械を傷つけないこと
作業:掃除やメンテナンス、ラボの改善など、運営に協力すること
知識:ドキュメンテーション(文書化)とインストラクション(使い方の説明)に貢献すること
ファブラボの発明は誰の所有物か?
ファブラボで生まれたデザインやプロセスは、発明者が望めば保護したり販売することもできる。ただし、それらは個人が学ぶために利用可能なものにしておくべきである。
ファブラボにおけるビジネスはいかに可能か?
ファブラボは営利活動のプロトタイピングやインキュベーションのために利用できるが、それらはその他の利用と衝突してはならない。また、ラボを超えて成長し、その成功に寄与した発明者、ラボ、ネットワークに利益を還元することが期待される。
英語版ドラフト:2012年10月20日
日本語訳:2013年5月23日