FabLab Setagaya at IID=「ファブラボ世田谷」は正式運用から1周年という節目に際して、2017年11月24日・25日の2日間、これまでファブラボ世田谷を支えていただいた皆様同士の「Meetup!」をテーマに1周年イベント「FabLab Setagaya 1st Anniversary Meetup! –ものづくりのこれから–」を開催しました。
交流会とアワード発表
まず24日夜に行った交流会では、IID Galleryで展示された42の公募作品を見ながら、参加者同士の意見交換がいたるところで盛り上がっていました。会の中では協賛の東急ハンズ賞・DIGINEL賞・田中先生のファブライフ賞のアワード発表もありました。ファブライフ賞を受賞した東方さんは、3Dプリンタで競技ヨーヨーの製作・販売をされていて、さらにプレイヤーでもある最強のMakerです。受賞時には実際にそのヨーヨーでプレイしながらヨーヨーの精度や3Dプリンタを使う意味を伝えてくださいました。
その他の作品もデジタルファブリケーション機器を使って製作者それぞれのアイデアや発見を表現されたものが揃い、こういう使い方もあるんだ!ここまでできるのか!と参加者同士で刺激しあえたのではないでしょうか。
トークセッション
2日目の25日には「ものづくりのこれから」をテーマに、各分野の最前線に立つ方々をお招きして、トークセッションとワークショップを開催しました。
注目を集めたのは、ものづくりの安全を考える事を目的に定期開催してきた「Fab Safe Summit」。Vol3となる今回は慶應義塾大学環境情報学部教授/ファブラボジャパン発起人の田中浩也氏と共同研究されている増田 恒夫氏、吉岡 純希氏らによるファブで製作したものを「人に渡す」「販売する」ことについて話題提供と意見交換会を行いました。FDMプリンタのキャリブレーション、出力品に強度を出すためのスライサーの設定、強度の試験をするための規格検討や試験装置等のお話、また医療分野での応用での積層痕の与える影響など、ファブの運営者でも初めて聞く話も多く、とても刺激的かつ、今後の示唆に富む内容でした。
ワークショップ
ワークショップは協賛企業各社(トロテック・レーザー・ジャパン株式会社、株式会社イグアス、オートデスク株式会社、株式会社ワコム、Formlabs Japan、株式会社サードウェーブデジノス)他の皆様により実施頂きました。各回大変盛況で、はじめてデジファブツールに触れた方々の驚きと感嘆の声に包まれていました。
イベントを通して、デジファブを使うことで創造に時間を使えるようになり、新しいものを生み出す速度があがったり、自分だけではできなかった表現ができるようになったり、楽しんでものづくりをしているMakerたちの声がたくさん聞けました。ファブラボはそういう楽しみを人に伝えていける場所であることももっと活かしていくべきだと思っています。小さなスペースではありますが、その分個人利用のしやすさや他人の作業風景が見える気軽さがファブラボ世田谷の特徴と言えると思うので、ちゃんとうまく機能できるようにこれから工夫していかなければならないですね。