こんにちは!FabLab SENDAI – FLATの小野寺です!仙台のラボは、今年の5月で4年目に入りました。
FabLab SENDAIでは、レーザーカッターや3Dプリンタ等のデジタル工作マシンの他にも、のこぎりや電動ドリルといったハンドツールを使用することも可能です。ハンドツールは誰でも自由に使用することができますが、デジタル工作マシンについては、必ず利用前に機材講習を受講していただくというルールをとっています。そして、その機材講習を受講された方々を“ユーザー”としているのですが、2016年7月時点でユーザー数は750名ほど。現在では1ヶ月あたり15名前後の方が新たにユーザーとなっています。
オープンデーは毎週水・金・土の10:00〜20:00まで。この時間内であれば自由にマシンやハンドツール、ラボのスペースを利用することが可能です。ラボを運営していてよくご質問をいただくのが、「どんな方がラボやデジタル工作機器を利用しているのか?」ということ。
2016年7月度の利用者数はこちらのとおり。デジタル工作マシン利用者からワークショップ参加者まで、ラボに訪れた方の人数を全て含んでいます。
7月は、夏休み前の前期課題提出の時期ということもあり、大学生の利用が多く見られました。夏休み前と12〜2月は大学生の利用が急増したり、4、5月と9〜11月頃は30〜50代の方の利用がメインになるなど、利用者数やユーザーの特徴は月によって大きく異なります。また、先に述べたようにユーザー数自体は750名ほどいるものの、実際にラボに訪れるアクティブユーザーは、1ヶ月あたり20名程度というのが現状です。
また、「デジタル工作マシンを使ってどんなものが作られているのか?」というのもよくご質問いただく内容のひとつ。
FabLab SENDAIでは、マシンを利用したユーザーさんには『制作記録ノート』への記入をお願いしています。
どんな素材をどのマシンで加工したのかだけではなく、どのような失敗・工夫をしたのかについても記入をしていただいています。そしてこれらのノートは、ラボで見ることはもちろん、WEB上でも見ることが可能です。
こうやって情報を公開・共有することで、素材加工時の失敗を防いだり、ものづくりのアイディアを広げることにつなげていけたらいいなと考えています。
しかしながら、いくらマシンの使い方を学んだところで、作りたいものが思い浮かばないという声が多いのも事実。そこでFabLab SENDAIでは、マシンを使うことではなく、様々な素材と向き合うことに特化したワークショップを行なっています。
先日実施したワークショップのテーマは“金属鋳造”。レーザーカッターで加工したMDFの型に錫(すず)を流し、オリジナルの箸置きをつくるというもの。参加者のみなさんは、とても素敵な作品を作っていただけではなく、「サイズを大きくしたらお皿にもなるのか!」「型をMDFじゃなくてアクリルで作ったらシリコンも流せるんですね!」といったアイディアも次々とでてきていました。
(ワークショップの詳細はこちら)
日本各地にメイカースペースと呼ばれる工作室が増えてはいるものの、レーザーカッターで素材をカットしただけ、3Dプリンタで造形物を出力しただけ、というものづくりからなかなか抜け出せていないというのが現状です。もちろん、マシンに触れるための入門としてそういったプログラムが用意されていることは良いのですが、それだけだとどうしても自分の作りたいものを作る・考えるというフェーズには進みにくいのではないでしょうか。
はじめから“0”から“1”を生み出そうとするのではなく、まずはたくさんの“1”に出会えること。そしてその“1”をベースに、10個、100個と様々なものを生み出せるのだということを示すことこそが、FabLab SENDAIの役割であると考えています。
レーザーカッターや3Dプリンタはあくまで道具です。FabLab SENDAIと一緒に、マシンや素材の一歩先の活用方法について考えてみませんか?