【from Tsukuba】照明環境の整備

 FPGA-CAFE/FabLab Tsukubaのすすたわりです。FabLab鎌倉に続き、近況をレポートします。つくばでは、昨年からボランティア・スタッフとして参加頂いている井村さんの影響で、最近は自転車をいじりに来られる方が増えたように思います。先日も何人かで竹製のフレームを使った自転車の調整を行っていました(図1)。

図1.調整中の竹製フレームの自転車

図1.調整中の竹製フレームの自転車

 私は自転車を持っていないので、これまで自転車好きの方が集まるということは無かったのですが、スタッフの嗜好によって作られるコミュニティが変わっていく良い例になっていると思います。もちろん、スタッフだけでなく、当店を訪れる方にも、どんどん周りを巻き込んで新たなコミュニティを作って貰えればと思います。


 

 さて、近況ということで、今回はつくばの設備の改善についてレポートしたいと思います。設備といっても今回は工作機械ではなく、照明の改善です。照明は作業環境の中で、作業のし易さだけでなく、安全性にも係わる重要な要素の一つです。つくばでは、2010年の開店当初から、実は2種類の照明を使い分けています。一つはカフェの雰囲気を作るための電球色のハロゲンランプで、もう一つは作業環境用の昼白色の蛍光灯です。作業性および統一感を考えると、色味の判りにくい電球色は入れない方が良いのですが、それだと温かみのあるカフェの雰囲気を作るのは難しくなります。そこで、入口付近のカフェエリアと、中央から奥側の研究エリアを、この2色の照明で分けています(図2)。

図2.カフェエリア(左側)と研究エリア(右側)を分ける2色の照明

図2.カフェエリア(左側)と研究エリア(右側)を分ける2色の照明

 当初はカフェエリアは全てダクトレールに取り付けた75Wのハロゲンランプだけだったのですが、数が20個くらいあり、頻繁に切れること、そして電気代が掛かることから、徐々にLEDに交換して行きました(図3)。研究エリアの蛍光灯は明るさを確保するため、投光器用の蛍光灯を使用していました。こちらはハロゲンランプ程ではないですが、年に1本くらい切れることと、LEDの明るさが十分に得られるようになって来たことから、やはり置き換えを始めました。ハロゲンランプの方は現在22個全てをLEDに置き換え、電気代が1/3くらいになりました。

図3.ハロゲンランプから置き換えたLED照明

図3.ハロゲンランプから置き換えたLED照明

 ところが最近、開発業務でアルバイトの学生を何人か集めて部品のハンダ付け作業を行ったところ、カフェエリアの明るさが十分確保できていないことに気が付きました。ハロゲンランプに比べて、同型のE11口金の小さなLEDでは十分な明るさを得られていなかったようです。そこで先日、カフェエリアのLED照明も強化しました(図4)。カフェの雰囲気を損なわないために、電球色ですが、75Wの投光器(東芝ライテック社製LEDS-08903LM-LJ9)を追加することで、1,200[lx]だった机の上が、15,200[lx]と約12倍になりました(図5)。

図4.LED灯光器追加後のカフェスペースの様子

図4.LED灯光器追加後のカフェスペースの様子

図5.LED交換後の照度

図5.LED交換後の照度

 また、研究エリアの作業机の上は101Wの天吊り照明(東芝ライテック社製LEDJ-10014N-DJ2)と、秋月電子で販売されている25WのOptoSupply社製OSW4XAHBE1Eを使用した自作ライト(図6)の組み合わせで14,500[lx]を確保しています。

図6.研究エリアの作業スペース

図6.研究エリアの作業スペース

 なお、食品衛生法における施設の明るさは50[lx]以上が必要、労働安全衛生規則の第604条では精密な作業は300[lx]以上が必要、JIS Z9110:2010の工場の照度基準の「電子部品の製造」作業における推奨照度は1,500[lx]となっています。しかし、1,500[lx]は顕微鏡下でのQFP (Quad Flat Package) のはんだ付けなどには暗すぎます。慣れてしまうと気が付きにくい照明環境ですが、一度自分の作業机の明るさについて、見直してみるのも良いかと思います。

by すすたわり
2015.03.29

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