FabLab ナイロビについて
こんにちは、東京工業大学大学院修士2年生の原口拓郎です。
私は2011年の8月から9月にかけて2ヶ月間ケニアでMIT D-Labで開発された技術を用いて農業廃材から炭を作るプロジェクトを行っていました。その際に、このプロジェクトのコラボレーションの可能性を探ると同時に、FabLab ナイロビがどのような環境にあるのかを確かめるべく訪れる事にしました。
ケニアにはFabLabが2か所あり、私は首都ナイロビにあるFabLabにお邪魔する事にしました。
FabLab ナイロビはナイロビ大学の機械学科の建物の1階にありました。
FabLab ナイロビの入口と入口からの様子
私が訪れた時期はちょうど大学の長期休みと重なっていた為(9月)、学生が5人ほどしかいませんでした。しかし、学期が始まると、FabLabは学生でいっぱいになるそうです。
○FabLab ナイロビについて
FabLabにはFab Masterがいることになっていますが、ここFabLab ナイロビにはDr. KamauがFabLab Masterとしています。
○設備について
・Shopbot
FabLab Japanにも木材を加工する為のマシーン”ロックラー”がありますが、FabLab ナイロビにはさらに大きい物がありました。大きさが約1m×3メートルである為、大きい木材を加工する事ができます。私がFabLab ナイロビに滞在していた時はずっとShopbotが動いていました。また、学生のプロジェクトとは別にビジネスとして会社からの依頼で看板等を作成しているそうです。
作品の一つ(最後の晩餐)と使用後の木材
・Laser Cutter
上記の機械によって木材を加工している為、レーザーカッターの主なる目的はアクリル板の加工でした。具体的には、電子工作で作成したプロダクトの外側のケースとしてアクリル板が使用されていました。
・Modela
Modelaの用途としては主にプリント基板作成用に使われていました。
・オンラインテレビ
オンラインでテレビ画面越しにオランダ、アメリカと繋がっていました。オランダ、アメリカ(東海岸)との時差はそれぞれ1時間、7時間である為、夕方頃になると議論するというわけでもなく両方のファブラボと繋がります。
○プロジェクトについて
・ファブファイ
ファブラボナイロビ内では市内では珍しくワイファイが飛んでいるとの事でさっそくメールをチェックするついでにネットにアクセスすると、以下の画面が。
Powered by FabFiという事でFabFiを探してみると、FabFiがありました。
FabFiに関して詳しくはこちらから
・水汲み機
ケニアの地方に行くと、水道のインフラが整っていない為、女性、子供を中心に毎日井戸から手動で水汲みをする事が日課になっています。そこで、この解決策として、ファブラボナイロビで考えられた方法が以下のプロダクト。太陽電池で得られたエネルギーを動力として、井戸から電動で水を汲む事を可能にしています。
しかしながら、一回あたりに組める量はコップ一杯である為(柱に隠れて見えずらいですが)、実用化にはさらなる実験が必要そうです。
・ダイナモ発電機
これは以前のプロジェクトです。ケニアの地方では電気のインフラがまだ整っていなく、ケータイの充電は一苦労です。そこで、自転車を用いてビジネスをしている人々が多い事に目を付け、ダイナモからケータイを充電する発電機を発明しました。1時間自転車漕ぐと、ほぼ充電が満タンになるそうです。
これは既にケニアで特許が取られているそうです。
詳しくはこちらの記事から。
○炭プロジェクトについての講演
最後に私、原口が約半年間西ケニア(ナイロビから夜行バスで約10時間)で行っていた農業廃材から炭を作るプロジェクトをプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションの最後には、学生と現状の問題に対してどのような解決策が考えられるか、またどのようにコラボーレーションできるかを議論しました。
○まとめ
ケニアに長期間滞在してみて、地方はもちろんながら首都のナイロビでさえ、まだまだガスのようなインフラも十分に整っていない事が分かった。しかし、物づくりのインフラであるFabLabに関しては日本と同じような工作機械があり、多くの学生がグローバルで共有された知識、経験を基に物づくりを行っていました。
この事から発展途上国のFabLabにおいては材料の確保の問題は残るものの今後、FabLabにおいて技術レベルでの先進国、途上国の概念はなくなってくると思います。
さて、発展途上国には知っての通り多くの問題があります。そして、これらの問題解決に貢献しようという技術(適正技術)の多くは、先進国のデザイナー、技術者がコンセプトを考え、プロダクトを発展途上国の外で生産し、内へと持っていくという動きが主流です。これはこれで重要ですが、私が考えるベストな方法は、問題意識を持った現地の人々が、自分でプロダクトを創り上げ、内から変えていくというものです。FabLabにはその為のインフラは整っており、既にこのような動きはインドのFabLabではあります。
ですので、FabLab ナイロビでも、フィールド調査を通して発見した国内にある様々な問題を解決できるようなプロダクトを開発するようなプロジェクトが上記プロジェクト以外にもっとあったら面白いと思いました。これからの活動が楽しみです。
Update! : [Fab Trip / Fab Visit] FabLabナイロビ訪問レポート http://t.co/bSpMFqmr #fablab
RT @fablabjapan: Update! : [Fab Trip / Fab Visit] FabLabナイロビ訪問レポート http://t.co/rmutmsAb #fablab
FabLabの使われ方が垣間見れて面白い。RT @FabLabJapan: Update! : [Fab Trip / Fab Visit] FabLabナイロビ訪問レポート http://t.co/6fmGm4gv #fablab
ガーナに引き続いてファブラボナイロビの訪問レポートがアップされました。原口君Good Job。 [Fab Trip / Fab Visit] FabLabナイロビ訪問レポート http://t.co/id9APCBu #fablab
ガーナに引き続いてファブラボナイロビの訪問レポートがアップされました。原口君Good Job。 [Fab Trip / Fab Visit] FabLabナイロビ訪問レポート http://t.co/id9APCBu #fablab
ガーナに引き続いてファブラボナイロビの訪問レポートがアップされました。原口君Good Job。 [Fab Trip / Fab Visit] FabLabナイロビ訪問レポート http://t.co/id9APCBu #fablab
わー、ほんとすてき「ダイナモからケータイを充電する発電機」「1時間自転車漕ぐと、ほぼ充電が満タンになる」http://t.co/w1QoAQcr #fablab
ガーナに引き続いてファブラボナイロビの訪問レポートがアップされました。原口君Good Job。 [Fab Trip / Fab Visit] FabLabナイロビ訪問レポート http://t.co/id9APCBu #fablab
自律分散型商品開発基地@ケニア。ここで始まるアイデアをスケールするとこまでもってく共同事業型実証とかしたいねー。 RT @kenendo @fablabjapan: FabLabナイロビ訪問レポート http://t.co/QsxmLIui #fablab
自律分散型商品開発基地@ケニア。ここで始まるアイデアをスケールするとこまでもってく共同事業型実証とかしたいねー。 RT @kenendo @fablabjapan: FabLabナイロビ訪問レポート http://t.co/QsxmLIui #fablab
自律分散型商品開発基地@ケニア。ここで始まるアイデアをスケールするとこまでもってく共同事業型実証とかしたいねー。 RT @kenendo @fablabjapan: FabLabナイロビ訪問レポート http://t.co/QsxmLIui #fablab
こちらはケニアのFabLabナイロビの見学記です。水汲機や発電機などをつくっています。http://t.co/ndIgcsK2