2010年の春に活動をはじめ、今年の4月にMITから田中先生が帰国され日本におけるFabLabも新たな段階に入っています。場所の設立からで はなくネットワークからFabLabの活動が展開されているのは、世界のFabLabの事例からみてもここ日本だけじゃないでしょうか。そうしたことを踏まえて、これまでのFabLabJapanの流れ、取組んできたプロジェクトの紹介、これからの展望を顔を合わせ意見や情報交換ができる場としてFabNightを開催しました。学生、社会人、エンジニア、建築家、教育者など約50名の方々にお集りいただき、驚きと感謝でいっぱいに。しかしながら、単にFabLabの活動が有名になることが目的ではないからこそ、FabLabが描いている「ものづくり」がどのようなものなのかをきちんと伝え、意識共有を図り、一緒に試行錯誤しながら「ものづくり環境」を構築できる方々ときちんとつながっていくことを大切にしていきたいと考えています。だからこそ「顔が見える関係」を重視している状況は、世界のFabLabネットワーク内でも同じです。初回のFabNightということもあり、お伝えしたいことが多く、時間も足りないくらいでしたが、これからはじまろうとしているFabLabの活動にとって心強い方々が集まり有意義な夜になった気がします。
FabNightでは、田中先生によるFabLabの紹介、国内の各ファブラボ施設の現状報告としてFabLabKamakura、FPGA-CAFE(FabLabTsukuba)のすすたわりさん、FabLabベータの多摩美のハッカースペースの久保田先生や東京工業大学附属技術高等学校の門田先生、石川県から山田さんらがskypeで参加されました。ファブラボ関連プロジェクトの紹介では、私からFabYearBook、FabforLifeについてのプレゼンをさせて頂きました。FabforLifeと関連した震災復興支援活動の情報共有として京都造形芸術大学からウルトラファクトリーディレクターの水野さんもskypeで登場!! FabNightの運営をされた平本さんから、2月に行なった米国東海岸FabTripの映像などを紹介してもらいました。今年の秋に開催されるFabSchoolTokyo2011については、東京藝術大学の城さんにプレゼンしていただきました。そして、先日FabLab鎌倉でシステム開発合宿を行なっていた巾嶋さんには、FabSourceについて語っていただきました。最後は「つくりかたの未来」における法律の話。FabLabの活動におけるクリエイティブコモンズライセンスを考えるFabCommonsについて菊池さんに説明してもらいました。
上記だけでも、盛りだくさんな感じが伝わったかと思います。ですが、FabLabは「ゲスト」も「ホスト」もないDo It With Others (Do It With Ourselves)の関係を重視しています。なので、テーマ別に分かれてグループディスカッションをする「Fab Foo」を休憩も挟まずに敢行いたしました。時間もわすれ、密度のある意見交換をすることができました。最後に各グループの議論を発表をする時間を持てなかったので、どんな議論が行なわれたかなど、後日報告する予定でいますのでお楽しみに。(youka)
写真)skype参加組の様子:音声や画像の共有などいろいろと改善点はありそうです。