Fab Trip 2011 @Boston “Media Lab: CBA & high-low tech & Harvard GSD & + α”

Fab Trip 2011 @Boston のレポート2(2/18)です。

— 2/18(Fri)—

MIT Media Lab.

Sherryのお迎えでMedia Labにお邪魔してきました。
残念ながら「ものづくり革命」の著者である、NeilはマンチェスターのFabLabに出張でした。
産業革命が起こった地で、第二次産業革命を起こすべく
マンチャスターに行ったんだと言っていました。
最初に、改めてFabLabのプレゼンをしてもらいました。
産業革命や情報革命といった「Center for Bits and Atoms」に関わる話から
世界中の16カ国、55カ所にFabLabがあるといった話、
オープンコースウェア、ビジネスモデル、FabLabとデザイナーによる
プロトタイピング制作の関係などについて
理念から運営の話まで多くのディスカッションができました。
FabLabは世界中にあり、それぞれが独自の活動、運営形態をとっているFabLabでは、
自分たちで目的にあった自立的な組織構築が求められます。
今回の視察で日本ではあり得ないくらいNPO・NGOが普通なアメリカでは
特にそれが多いのですが、そうでない日本ではいろいろ工夫が必要かもしれません。
(FabLabのみなさん、またいろいろ話しましょう。)

その後、施設内のいろいろな機材を紹介して頂きました。
基本的には同じ機材なのですが、MediaLabには全て一番大きな機材が揃っています。
レーザーカッターもCNCもウォータージェットも世界最大クラスのものが揃っています。
もちろん、それを置いて、いろいろと制作するだけのスペースも充分にあります。
そんな中でも施設見学で一番刺激的だったのは地下工房でした。
ここはNeilの研究室なのですが、あり得る限りの電子工作機材があり、
ハンダゴテからCTスキャナーまで、もう何の研究かはわからないくらいギークな場所でした。
大型の工作機械から分子のレベルの機器、さらにはプログラミングまである、
まさしくCenter for Bits and Atomsです。

MediaLabの地下工房(MediaLabの研究員も普段はなかなか入れないらしい)

もちろんここにもSHOPBOT,ちなみに一番大きいやつです


high – low tech

high – low tech, 壁にかけてあるものも全て作品
ここでは「オリガミ」や「アミモノ」といった、いわゆるローテクノロジー(Low Tech)
のものと電子工作やプログラミングなどのハイテクノロジー(Hign Tech)を組み合わせて
制作を行うHigh & Low TechというMIT Media Lab内にある研究グループです。
バイオメタルを使って飛ぶ動きをする「折り鶴」や紙をスピーカーにするものや、
服飾と電子工作と組み合わせたもの(これはテクノ手芸が近いかも)などを紹介してもらいました。

自律的に折りたたみ、発光する折り鶴

電磁場を利用した紙スピーカー

ここでは逆にアミガミの紹介も行いました。
日本で行われている研究であるアミガミがMITでも、興味を持ってもらえていました。

アミガミ:http://fab.sfc.keio.ac.jp/open/blog/wp-content/uploads/101110_review_keynote.pdf


Harvard GSD

ここではスペインのFabLabのDanielに紹介してもらい、
HarvardのGSD(Graduate School of Design)の見学や
建築ドメインならではの工作機械の見学、
さらには彼が行っているFabHouse(ソーラーハウス)プロジェクトのプレゼンをしてもらいました。

大きな階段状の空間が特徴的なHarvard GSD

DanielによるFabLabHouseのプレゼン中

MIT Media Band(Ustream)

録画があるので見て頂ければと思います。
Media Band: http://www.ustream.tv/recorded/12783254
ここではまとめだけにしますが、
FabLabでは「もの」だけでなく、ほぼなんでもつくれるので、
「ものづくり工房」ではなく、「つくる」ということが大切であるという議論が行われました。

先日のAS220やMedia Lab, High – Low Techを見学し終えて、
大型の機械はまだないものの、基本的な機材はすでに日本にも揃っているというのが見学後の感想です。
ハード面では、たいして日本も遅れをとっている訳ではないと思います。
ただ、違うのは、あれだけの勢いで制作が行われているかどうかだけのように思いました。
インフラ
(ハード)はあるものの、その上に走る研究(としてのソフト)の数が全く違いました。
多くの研究がなされているので、それだけブレークスルーが起こりそうな予感がしました。
この差は大きいように思いますが、アミガミのプレゼンが受け入れられたことが示すように
実際に手を動かせばすぐに同じ規模の研究ができると思います。
僕らはすでに機材を使っていますし、使いこなすだけのノウハウも持っています。
今からゼロのスタートではなく、もうすでに追いつくだけの距離は走っていると。
これからどれだけ充実した活動を行っていけるかが重要だと感じました。

5件のコメント
  1. FabLabJapan.org より:

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  2. tag_fablab より:

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  3. 菊地弘祐 より:

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  4. Yuki Kawana より:

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  5. 渡辺ゆうか より:

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