Fab6の初日午前は、各FabLabからの3分ずつのプレゼンテーションでした。
日本からは田中浩也が報告を行いました。
各国のプレゼンの一部がYoutubeにあがっています。
MIT Center for Bits and Atomsでニール・ガーシェンフェルドのアシスタントを務めるシェリー・ラシターは、「FabLabは1年で2倍に増える」という「ラスの法則(Lass’s Law)」(←ムーアの法則にひっかけた洒落です)を提唱していましたが、この1年で、ファブラボはアメリカとユーロで急増しました。イギリス、ドイツ、アイスランド、スイス、オーストリアなどでFabLabが開設され、またフランスやチェコスロバキアなどでも立ち上げが計画されています。また、米国では、「各州にひとつ」のペースでFabLabが大増殖しています。さらにはペルーやインドネシアでもFabLabが計画されています。
午後のセッションでは、そうした状況を踏まえ、改めて「ファブラボ」とは何なのか?を議論する「Becoming FabLab」というセッションが行われました。ファブラボは一口で説明にしくい活動になりつつありますが、重要な点は、3次元プリンタやカッティングマシンといったツールを揃えるだけではその活動の理念を満たさない、ということだと思います(こうしたツールを揃えたデジタル・ファブリケーションセンターは、もはや世界中の大学に設立されていますが、単に機材を揃えただけではFabLabとは呼びません)。その根幹となる理念は「FAB CHARTER」としてまとめられていますので、それを試訳してみました。
http://fab.cba.mit.edu/about/charter/
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The Fab Charter
ファブラボ憲章日本語版(案)
ミッション: FabLab(ファブラボ)とは、3次元プリンタやカッティングマシンなどの工作機械を備えた、誰もが使えるオープンな市民制作工房と、その世界的なネットワークです。大量生産やマーケットの論理に制約されていた「ものづくり」を解放し、市民ひとりひとりが自ら欲しいものをつくりだせるようになる社会が目標に掲げています。
アクセス: ファブラボの機材を用いて(ほぼ)あらゆるものを作ることができます(ただし人を傷つけるものは除きます)。利用にあたっては、一人一人が自ら試行錯誤して操作法を学び(Do It Yourself)、周りの人と協力し(Do It With Others)、ラボの使用法や機材利用のノウハウを共有・蓄積していくこと(Share It with Others)が求められます。
エデュケーション:ファブラボにおけるトレーニングは、実際のプロジェクトを行いながら機材の使い方を覚え、他のメンバーと互いに教え合い、学び合うことが基本です。また、その過程をドキュメンテーション(文書化)し、インストラクション(教材)をユーザ自身が作りあげていくことが求められます。
責任
安全:人や周りを怪我させない作業の仕方を覚えること。
掃除:あなたが見た初めの状態よりもラボを綺麗に掃除してから帰ること。
操作:ツールや材料のメンテナンスや交換を手伝い、さらにそこで起きた出来事をレポートすること。
ビジネス:
ファブラボでは商業活動(ビジネス・インキュベーション)は可能ですが、オープンなアクセスや情報公開とコンフリクトを起こしてはいけません。ラボの中のみならず、外でも大きく成長し、最終的には、ラボやラボのメンバー、ネットワーク、オリジナルの開発者らにその成果を還元することが期待されます。
draft: August 30, 2007
日本語版 5/23 2010
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これをヒントに日本におけるファブラボのかたちを考えていけたらと思っています。
Update! : Fab6 Day1 http://bit.ly/dw6hfi
遅くなりましたが、FabLab-Japan 様のファブラボ憲章日本語版(案)です。 RT @FabLabJapan: Fab6 Day1 #fablab http://bit.ly/aWlitM