【from Hamamatsu】冬に向けて、浜松はバイオラボの準備に入りました

秋の風が心地よい今日この頃。こんにちは、ファブラボ浜松の竹村です。ラボレビュー2周目(1周目の投稿はこちら)の今回は、ファブラボ浜松の二つの取り組みについてご紹介します。

1. オープンソースアイガモプロジェクト

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一つ目は「オープンソースアイガモロボットプロジェクト」のご紹介です。このプロジェクトは、ファブラボ浜松を中心として実施しているプロジェクトで、静岡県浜松市の市民活動を応援するプロジェクト「平成27年度みんなの浜松創造プロジェクト」に採択されました。

<きっかけ>

ファブラボ浜松は田園に囲まれる地域にあり、稲作、そのほか農業と密接な関係にあります。このような環境の中で、アイガモに変わる草取りのツールを作り出せないかというところからこのプロジェクトは始まりました。

<取り組み>

このプロジェクトは、まずチーム作りから始まりました。2015年7月12日にアイガモロボットを作ろうということでハッカソンイベントを行い、関心のある方々にお集まりいただきました。

そこから開発を始め、プロトタイプを3台作りました。それらは2015年8月に開催されたメイカーフェア東京2015、ボストンで行われたファブラボ世界会議FAB11、そこからアメリカ3都市のファブラボ、ハッカースペース、メイカースペースを巡り、多くのフィードバック、及びオープンソースプロジェクトの進め方などアドバイスを蓄積しました。

ここまでの大きな収穫として、このプロジェクトをきっかけにファブラボ鎌倉、ファブラボ北加賀屋、メイカーラボ名古屋の方々がメンバーに参加してくださり、ラボ間の交流が生まれました。また、海外のメイカーもアドバイザーとして参加して頂けました。ファブラボネットワークの強みを最大限活用して、今後の開発に勤めてまいります。

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<今後の予定>

2015年9月19日、20日に山口県のYCAMで行われる山口ミニメイカーフェアにて出店予定です。また、イベント出展でのフィードバックを得て、評価実験、改良も進めていきます。

 


 

 

2. バイオファブラボ(Bio FabLab)に向けての取り組み

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現在、世界各地のFabLabに、バイオの実験ができる設備を導入して行こうというプロジェクトが進められています。その取り組みの足がかりとして現在行われているのが、世界同時講義「How to make (almost) anything」のバイオ版、「How to grow (almost) anything(ほぼなんでも育てる方法)」です。来年度から一般受講者の受付が開始されますが、ファブラボ浜松からこの講座に参加できるよう、現在、機材の導入、トレーニングを受けています。トレーニングはハーバード大学、マサチューセッツ工科大学など一線の研究者、第一人者からの直接講義です。いち早くこのような情報をラボ周辺に伝えていくことも地域ラボとしての意義であると意識しています。

【今後のバイオラボの普及と課題】

バイオと聞いて、「何ができるの?」という声や、「危険だ!」という声など聞かれます。特に安全については、近年3Dプリンタやドローンの話題が大きく取り上げられたように、私たちの生活に変化を与えてくるでしょう。それはものを作る開発コストが下がってきたように、バイオ関連の研究コストもどんどん下がっているためです。今後もし、各家庭にバイオプリンターが普及した時、そこで誰が何を作っているのか把握することは不可能です。アメリカでは、このような変化に合わせて、積極的な監視の必要性からFBIもスポンサーとなってバイオラボの整備、普及が進められています。

【バイオファブラボ浜松!?】

実は、浜松にはバイオ産業がほとんどありません。この楽器とバイクの街、浜松で、「バイオ技術の進歩」「安全性」「透明性」といったキーワードを掲げて何ができるか…。地域の活動ネットワーク、農業ネットワーク、産業ネットワーク、市民と積極的に意見交換して意義のある活動をしていきたいと考えています。

【重ね重ね慎重に、そして積極的に】

一般の方から非常に警戒感が強く、なかなか理解し辛いバイオ分野。安全について十分に理解し、専門家の意見を取り入れ、慎重にそして積極的に進めていきたいと思います。

最後に・・・

最後までお付き合いいただきありがとうございました。新米がおいしいこの季節、ファブラボ浜松の周りは稲刈りで大忙しです。ぜひ、東海道新幹線で浜松駅を通る際には、一度ご連絡いただき足を伸ばしてみてください!美味しい新米が食べられるかも!?

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